試乗レポート
このレポートは、あくまでも試乗した個人の感想ですので、参考としてください。

 SAIL名:2021GA MATRIX7.7 LUFF486㎝ BOOM215㎝  MODEL:FreeRideノーカム7バテン 
<総合評価>  △ 悪い   ○ 普通  ◎ 良い  ★非常に良い 
 アンダー性能  操作性
 SPEED性能  セッティングのし易さ
 セイルの軽さ(自重)  プレーニング時の安定感
 ローテ―ション:カムorバテン
 マッチングBOARD  スピードに優れるFreeRideボード Tabou Rocket PlusやSTAR FUTURA等
 おすすめレベル  プレーニングがしっかり出来る中級者以上の方
2021GA MATRIX
カム付きセイルは本格的なRACEモデルを好む方が増え、一般の中級者以上の方はスピードに優れるノーカムセイルを好む傾向が強くなったので2年ぶりにMATRIXの試乗をすることを決めました。2019モデルは本栖湖で試乗しましたがオーバーセイル気味の状態でも高いフォイルの安定感で以前のMATRIXよりも格段に高速セイリングが楽しめるセイルに変化したと感じました。
2021モデルの外見的な変化は分からないのでコメントは控えますが、ラフパネルに使用していたX-PLY(網目素材)が、よりしなやかで厚みを増したと感じます。


 <コメント> 試乗ごとに感じた事があれば追記します。
 7.7㎡  
 Date / ゲレンデ/ ライダー  2021年3月 / 検見川 / 身長170㎝ 体重60キロ
 コンディション   オフショアのフラット海面 ジャストからアンダー
 使用マスト/ボード/フィン  純正SDM80-460 / SEVERNE FOX120L 244×70㎝ / 純正40㎝
防波堤内のインサイドはブローの幅が狭く走り出しても直ぐに止まってしまう状態だったので、より幅広く入るアウトサイドへ出てみましたが、アンダー気味で走らせると下り気味。たまに強めのブローが入った時のみ、しっかり上りをとる事が可能でした。
アンダー気味とはいえ、ブローでの走り出し、ブローが抜けてきた時のプレーニング持続性の良さ、強めのブローが入った時もソフトに風を受け止め急な挙動がなく加速出来る部分は十分感じれました。多分、ラフパネルに採用されているしなやかなX-PLY素材の効果かな?と思います。
HYBRIDもスピードを楽しむためのフォイルの安定感には十分優れているのですが、MATRIXは硬さで安定感に優れると言うより、ソフトで安定した手応えが走行中に常に感じられる為、安定したトップスピードをキープしやすい点、ブローが入った際にも手応えの変化がほとんど出ない状態で更に加速していける部分が違うなぁ~と感じます。
以前FHANTOM3カム7バテンとCOSMIC2カム7バテンに感じた違いです。
自分は本格的なRACEセイルを使っていないので分からないのですが、マストを含めラフパネルにしなやかさを感じつつフォイルの安定感があるのがRACEセイル寄りのセイルの良さだと感じます。
バテンで固めた硬さはフォイルの安定感には優れますが、オーバーでも乗りやすいセッティングにするとアンダー気味のブローホールではボードが止まりやすくなってしまいます。
しなやかな状態のセッティングでもフォイルが安定し常に安定したパワーを手元に供給してくれて高いスピードをキープしやすいのがワンランク上のセイルの良さだと思います。今年のMATRIXは、その部分が強化されていると感じます。
アンダー気味の今日のセッティングは、ダウンは表示どおり。
アウトは216㎝にブームをセットして3㎝ほど緩めて丁度良かったので表記のマイナス2㎝ぐらいです。
カニンガムを付けているので乗りながら乗り心地を変えられます。
アウトを緩めすぎると走り出しは良いのですが上りが特に悪くなると感じるので気を付けてみてください。
2021GA MATRIX
 2021GA MATRIX SEVERANE FOX
 Date / ゲレンデ/ ライダー 2021年4月 / 検見川 / 身長170㎝ 体重60キロ
 コンディション  南東~東南東 アンダー~ジャスト~ややオーバー
インサイドはフラット アウトサイドは風波が入ってややチョッピー
 使用マスト/ボード/フィン 刀SDM100-460 / TABOU ROCKETPLUS123L 237×77㎝ / ZULU IKLWA42㎝
インサイドは少しクロスオフ気味で防波堤沖合のアウトサイドはサイドで風波が入ってややチョッピーな海面でした。
雨が降るとオーバー気味のブローが入り、雨が止むとブローはジャストでややアンダー気味と少しガスティーな状態でしたが、アンダー、ジャスト、オーバー気味まで使用感を試せたのでテストとしてはバッチリ。
今回は刀マストSDM100を使ったので純正と少し仕上がりが変わります。
まずはダウンは表示どうりでアウトは下の穴を使って2㎝マイナス乗りました。
アンダー気味での走り出しは文句なしですし、その後のプレーニング持続性もバッチリ。
ブローが入った際のフォイルの安定感が少し欠けている感じがあったのでダウンを1㎝プラスしてアウトは指定長と1㎝プラスの両方でテスト。
結果、指定長のほうがフォイルの安定感がありスピードの伸びも良く感じました。
アウトを引きすぎるとラフパネルが緩んでしまい不安定になります。セッティングの際に注意すると良いと感じました。
雨が降ってブローが強まった時は6.5㎡でも良いなぁ~と感じるぐらいでしたが、フラットなインサイドでは全く問題なく安定した引き込みが可能。
風波が入っているアウトサイドはボードを抑え込むのが厳しく感じましたが、ここはセイルよりも使ったフィンが大きかったと思います。
38~39㎝を使っていればアウトサイドでも問題なく乗れたと思います。
前回も感じましたが、しなやかさがありつつ強めのブローでも安定したフォイル。
オーバー気味のセッティングにしても、しなやかさが残りアンダー気味での走り出しも良い。
理想的なセイルです。
純正とはアウトホールのテンションが変わりますが、刀マストでもマッチングは良いと言えます。
刀マストは、ブーム付近にはフォイルを安定させる硬さがあってトップはしなやか。とっても使用感の良いマストです。
特に7.5㎡以上のセイルはセイル自体も重量があるのでマストは軽くしたいですね!
2021GA MATRIX
 ZULU ILUKAWA
 6.7㎡  
 Date / ゲレンデ/ ライダー 2021年4月 / 検見川 / 身長170㎝ 体重60キロ
 コンディション  南西 検見川特有の腰~胸のウネリに膝~腰の波 ジャスト以上
 使用マスト/ボード/フィン 純正RDM80-430 / GOYA Carrera116L 242×66.8㎝ / 純正38㎝
メーカー試乗会で6.7㎡に乗ることが出来たので参考までにレポートしておきます。
インサイドはジャスト~アンダーに感じる場所もありましたが、アウトサイドはジャスト以上に感じる風速でした。
海面はオンショアでウネリも大きくチョッピーでコントロールの為のセイルのフォイルの安定感が大事に感じるコンディション。
同じRDM80-430のマストでセットしたHybrid6.7㎡(ノーカム6バテン)と比較して、Matrix6.7㎡(ノーカム7バテン)は、
RDMマストでセットしても十分なスピード性能とフォイルの安定感(引き込みの安定)がある使用感になると感じました。
バテンが1本多い事によるかな・・・。
Hybrid6.7をSDM430でセットすればフォイルの安定感が増してスピード性能がUPするのでRDM430でセットしたMatrixと遜色ない使用感になることは確認済みですが、MatrixもSDMマストでセットした場合は更に高速時のフォイルの安定感が増すと思います。
今回、使用したボードはラフな海面でも乗り易く、少し幅が狭めテイルも薄目のスピード性能が高いベテラン好みのFreeRideSlalomボードでした。
これがFreeRaceSlalomボードならSDMで乗りたくなるのかな・・・?とは思いますが、自分としてはRDMマストでも必要十分なフォイルの安定感に仕上がっていると感じました。

 


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